肉牛飼育農家は儲かるのか?
- 日本の農業の立て直しが言われている。
現在の、実際の農業所得はどれくらいあるかを、農水省のデータから見ると、
水田農家農業所得は53万円、野菜214万円、施設野菜497万円、酪農1054万円、繁殖牛376万円、肥育牛1243万円、
養豚1349万万円、採卵養鶏657万円、ブロイラー1036万円、
となっている。
養豚が最も所得は多いが、今回は肥育牛、肉牛飼育を考えたい。
農水省の27年度データを見ると、肉牛は200頭以下が9割ほど占め、その最頻出が10頭から30頭である。
そこで、この頭数を指標として考えてみる。
10頭から30頭の飼っている農家の粗利益は約1030万で、所得は約280万円、農業所得率は26.3%である。専従者は1人で、関係人が2人である。
労働時間は年2900時間ほどで、1日に換算すると、約8時間となる。
牛の種類は、繁殖メス牛は、10頭、肥育牛7頭、肉用が7頭となっている。年間出荷は肥育牛9頭 肉専用2頭になっている。
農業経営費760万円で、その中で資料代が一番高く、200万円ほどかかっている。
畜産収入は730万円となっている。作物収入は130万円となっている。
これを、見るだけでは、畜産だけでは赤字である、年金などのその他の収入と、作物収入を合わせて所得300万近くになる、ということのようだ。
山口県畜産部の肉牛飼育を始めませんか、の資料をみてみると、肥育牛1頭当たり、儲けの部分は17万円と計算されている。
17×出荷約10頭として計算すると170万円となる。
どちらを信用すべきか、迷うところである。
一方赤字で、一方黒字、200万くらいの開きがある。
分かりませんので、ざっくりその半分の100万円ぐらいの収入があるとする。
んーー。儲かるとはいいがたいのかなー。
飼育頭数は、その倍ぐらいがいいのかな。
50頭以上を考えないと、ちょっと経営できないないかもしれない。
農業を考えた場合は、水田では、他の本を見ると40万円ほどの売り上げしかないと書いてあるところもあり、お米で経営は難しい。
野菜となると、もう少しあがるが、災害や気候に左右されるし、実労の部分も人海戦術的な部分があり、人件費が大きくなる、そして実際の労働もハードである。
それらを考えると、動物などの畜産をうまく重ねていかざるおえないだろう。
そして、ヨーロッパスタイルのような、何でもやります、的なほうがリスク分散できると思う。
これは経営手腕をとわれるところだと思います。
日本の和牛は世界的に知られている。
故邱永漢さんは、10年ほど前の本に、いま中国で肉牛を飼育している、とも書いていました。
これは、1人当たりGDPが3000ドルを超えるあたりから、人の食生活がかわり、今まで、肉類や乳製品を飲食しなかった人々が飲食するようになる、と言われている。
これは、どの人種でもそういう行動をとるとされており、日本での和牛飼育がうまくいけば、外国で種牛の種の取得の問題はあるが、外国のこれから1人あたりGDPが3000ドルをこえる途上国に進出する、きっかけになると思う。というかもうしているが、、
海外進出できるなら、高収益を目指せるかもしれない。
しかしブランディングの問題がある、これはかなり大きな問題である。
イタリアは、国自体の経済状態は評価が悪いが、地方の市町村が強い。それは、高いブランディングの影響だ、パルメジャノ・レッジャーノは生産高は、1300億円に上ります。
これは厳格な審査があり、それを通過したものだけが販売できる。
そういった、生産高が1000億円を超える産業を持つ町が多くあるという。
そういった厳しい審査が行われるように、もし日本もなれば、いくら有名な種牛の種を仕入れても、そのブランド名ではうれなくなる。
今後の日本の展開がまたれるところである。
しかし、霜降りのいい肉をつくれば・・・・・いいものをつくれば高価に販売できるのは間違いないだろう。
参考
農水省
山口県
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a17600/ninaite/nougai/apd1_1_2008021027111046.pdf#search=%27%E8%82%89%E7%89%9B+%E5%87%BA%E8%8D%B7+%E8%82%89%E7%89%9B30%E9%A0%AD%E8%BE%B2%E5%AE%B6+%E5%B9%B4%E9%96%93%27
大前研一ビジネスジャーナル No.11(日本の地方は世界を見よ!イタリア&世界に学ぶ地方創生)