IOTなにがかわる?(1)

IOTときいて、私は、卵がなくなれば、その容器にセンサーがついていて、知らせてくれたり、ウォーターサーバーの水がなくなれば、重量センサーが感知して知らせてくれたりしてくれて、生活が便利になる。

といったところを連想する。

IOTの権威者の坂村さんの本を読んでみました。

30年と聞くと長いように感じるが、ICTはそれくらい時間が必要だったようです。

インターネットが最初、米国国防省の研究開発から始まり、通信規約の開発から、民間利用が許可されオープンになり、社会に普及するまでにも同じくらいの時間がかかっている。変化に速いICTの分野でも、インターネットのようなルールを守ればだれでも使えるというオープンなインフラ技術が普及するにはそれぐらいの時間がかかる。

IOTを最近出てきた新技術とすると、今が過度な期待の流行期でこれから幻滅期に入ることになる。つまりしばらく様子見と言われても仕方がない。

しかし実は、ユビキタスのころから続いている流れととればまさに今が回復期。これからが普及の本番ということになるという。

日本ではこの坂村さんは、1984年からTRONプロジェクトを開始しIOT的なことを研究している。

結構昔からあるんだ、ということが分かった。

しかし、始めた時は、先頭を走っていたが、今は、日本は後塵を拝しているという。

このままだと、お家芸の、家電や自動車もくわれるだろう、と坂村さんは言う。

現在は、血液製剤などの医薬品も、RFID(Radio Frequency  IDentifier)という電子タグをはりつけて、トレースしている。

SuicaやPASMO等のICカードはこのRFIDをカード型にしたものである。

建築・土木分野でも、資材・建材トレーサビリティは。大きなメリットが考えれている。

施工管理やメンテナンス管理、不良品のピンポイント回収、偽装対策については食品・医薬品同様有用である。

またセンサーチップであれば、それこそ砂粒大のチップをコンクリートに混ぜて施工しそれを電波で調べることで配合・運送・管理・施工の履歴から、内部の水分のしみ込みやPHの変化を調べたりできるようになる。

モノにIDをつけてメンテナンスに利用している例として、旅客機がる。

現在、最新の旅客機では、期待を構成する全部の部品の電子タグがつけられている。1台の飛行機は400万から600万個の部品で構成されているが、電子タグをつけることで、旅客機が全世界のでこにあっても部品のメンテナンスを効率よく行うことができる。

ドイツでは工場など製造部門に、IOTを応用し、インダストリー4.0として第4次産業革命と言っている。

ドイツはマジで、気合入っている。

そして、今までの話は、閉じた組織など、会社などの内部だけの人が利用できるものである。

しかし、IOTで大事なのは、オープンなことが大事であり、これからの課題であるといってます。

インターネットのように世の中を大きく変えるには、オープンなことが重要なポイントということです。

オープンの好例が日本にもあり、坂村さんの研究所が、東京メトロと一緒に「オープンデータ活用コンテスト」という、東京メトロが持っている駅のいろいろなデーターーたとえばトイレがどこにあるのかや、リアルタイムの運行データ等をオープンして、ユーザに自由に使ってもらうと、どんなことができるかというコンテストを行ったという。

結果は大好評で、世界中から応募があり、乳母車を資している方がホーム行きのエレベーターまでどう行けばいいかがわかるスマートフォンのアプリや、電車が遅れているときは朝起きる時間を早めてくれれる目覚まし時計アプリなど、データを公開しただけでいろいろな面白いソフトウェアが、ユーザの方々によってつくられた。

約2か月で300近いソフトが開発された。

そして現在、世界ではプログラミングの世界競争が起こっている。

読み、書き、そろばんに加えてプログラミングが必要になる、といっている。

世界ではコンピューターを利用したイノベーションが盛んだが、それをリードしているのはプログラミングの専門家でなく、プログラミングができる分野の専門家だ、たとえば、農業分野、画期的な生産性を達成するコンピューターを駆使したスマート農場で、イノベーションを起こせるのは、プログラミングをできる農民、ということのようだ。

このように経済活動に大きくプログラミングがかかわり始めている。

中等教育からコンピュータプログラミングを教えるべきだ、ということを主張する記念碑的な論文がイスラエルで発表されたのが1995年。それを受けてイスラエルは高校の教育改革を行い、2000年にはいち早く義務化までこぎつけ、今は1部を早めて中学に移すという。

小学校レベルでの取り組みが早かったのはエストニアである。英国イングランドは、すでに2014年以降、5歳児から読み書き算数に次ぐ扱いでコンピューターサイエンスを義務教育化している。

アメリカは高校レベルにプログラミングのコースがあったが、選択制で1部の生徒しか受講しておらず、関係者は遅れを取り戻すのに必死だ。

2016年頭の、最後の一般教書演説で、オバマ大統領はわざわざ、「すべての学生に仕事に役立つ実践的コンピュータサイエンスと数学のクラスを」、とプログラミング教育について言及した。その言葉通り、2015年12月には、初等中学の教育制度を改革する法案を署名している。この法案にはコンピュータサイエンスを小中学校レベルのコア科目とし、担当教員の専門的能力開発を支援する内容が含まれている。

そして、スーパープログラマが育てば、それには一種の素質が必要だが、それに、はまれば中学生でさえすがい力が発揮できる。つまり投資回収が遅いといわれる教育の中で、プログラミングは異例なほどリターンが早く効果の掛率も高い。

たとえば、イスラエルはこの分野で急激に伸び、アメリカの企業がベンチャーを巨額買収するなど世界のコンピューター産業の注目をあつめているが、2000年から教育を受けた高校生が活躍するのがちょうど今頃。それを英米が追っている。ハイテクに強い国がどんどん先に行くというこのようです。

そしてコンピューターの関連するイノベーションは、人の7倍のスピードで年をとる犬にたとえてドッグイヤーと呼ばれる。

もし日本でも学習指導要綱を書き換えるには、今決断しても7年先になる。

そのことを考えると、7年の差は、50年近い差になる。英国ではカリキュラムの見直しの決定が2012年1月。プログラミング中心の新カリキュラム発表が2013年9月で、開始が2014年9月。まさに、ドッグイヤーのスピード感が教育改革にも求められる。

経済競争の中にプログラミングが必須であることがわかる。

やはり教育の話になるんやなー。

次回につづく。

 

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