rippleのような会社を作る時は?

rippleのような会社を作る時は?

参考書

「Fintechのビジネス戦略と法務」

渥美坂井法律事務所・外国法共同事業Fintechチーム/松田克信/新倉理人/高橋淳

 

 

 

 

 

「Fintechの法律2017-2018」

森・濱田松本法律事務所

増島雅和/堀天子 編著 石川貴教/白根央/飯島隆博 著

 

 

 

 

 

「実践ブロックチェーン・ビジネス」

株式会社ブロックチェーンハブ 著/監修者 増田一之

 

 

 

 

 

 

 

「実務解説資金決済法(第3版)」

堀天子 著

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮想通貨ビジネスを検討するにあたっては、その作ろうとする仮想通貨がどのような法律上の性質を有するかが重要になります。具体的には、①前払式支払手段に該当するか、②為替取引に該当するか、③資金決済法上の、仮想通貨に該当するか、④ポイントに該当するか、の4点を確認する必要がある。

①前払式支払手段

予め、利用者が金銭等を事業者に前払して、その金銭等に応じてその事業者又は、事業者が指定した第3者の提供する製品やサービスの提供を受けられるような場合、当該手法が資金決済法上の、前払式決済手段に該当する可能性が考えられる。交通系カードがその代表例となります。

仮想通貨ビジネスにおいても、利用者があらかじめ金銭等を発行者等の事業者に払い込み、それに応じた仮想通貨が発行されて、利用者がその仮想通貨をもって事業者または、事業者が指定する第三者の製品やサービスの提供を受けられるようなビジネスであれば、当該仮想通貨が前払式支払手段となる可能性を検討する必要がある。

前払式支払手段の主な要件として、①発行者が存在、②金額等の財産的価値が証票、電子機器その他の物に記載・記録され、証票等にて発行、③当該財産的価値により得られるモノやサービスが確定、④発行者又は発行者の指定する第3者で利用可能であることがあげられる。(資金決済法3条1項1号)

前払式支払手段に該当する場合、資金決済法の規制が適用される。

②為替取引

仮想通貨を使って、国内や国際送金をおこなうビジネスを検討する場合、当該取引が銀行法上の「為替取引」に該当するかを検討する必要がある。

銀行法上、銀行は為替取引に関する業務を行うことができると定められており、逆に言えば、銀行以外が為替取引を行うことはできず、例外的に1回につき100万円以内の取引であれば、資金決済法上の資金移動業の登録を受ければ可能になります。(資金決済法2条2項)

従って、銀行業の免許又は資金移動業の登録なしに為替取引に該当する行為はできないことになります。

為替取引の定義ですが、最高裁判所の判例があり、「銀行法2条2項2号はそれを行う営業が銀行業に当たる行為の1つとして、「為替取引を行うこと」をあげているところ、同号にいう「為替取引を行うこと」とは、「顧客から、隔地者間で、直接現金を輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して資金を移動することを内容とする依頼を受けて、これを引き受けること、又はこれを引き受けて遂行することをいうと解するのが相当である。」と示されています。

仮想通貨を用いた隔地者間(国内・国外を問わず)の送金や決済に類するビジネスを行うにあたっては、この判例で示された定義を踏まえ、為替取引に該当しないか慎重に検討する必要がある。

 

③資金決済法上の仮想通貨

資金決済法上の仮想通貨が定義されています。

定義は以下になります。(資金決済法2条5号)

  • 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器そのたの物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
  • 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

 

ここで、重要なのは、「不特定の者」ということです。利用者が登録されたり、利用できる店舗が限定されていたりすると、不特定にならず、仮想通貨でないということになります。

 

また、1コイン=1円と交換レートが固定されている、場合、「通貨建資産」に該当するとして仮想通貨とならない可能性があります。これに対して、ビットコインなどの代表的な仮想通貨は、日本はともかく、世界的に見れば、匿名でも購入や売買が可能で、相場も変動するので典型的な日本でいうところの仮想通貨です。

さらに、ある仮想通貨それ自体では、物品の購入などができなくてもその通貨とビットコインなどの仮想通貨を交換することが可能な場合もその仮想通貨は、日本でいうところの仮想通貨に該当します。仮想通貨は比較的定義は広いということです。

仮想通貨に該当した場合は、仮想通貨と円やドルといった法定通貨との交換は、仮想通貨の売買であるされ、こうした仮想通貨の売買や他の仮想通貨との交換を業として行うには、仮想通貨交換業の登録を必要とします。

 

④ポイント

例えば、特定の地域内で流通させる目的で、当該地域内で、物品を購入するポイントが仮想通貨として無償で提供され、当該ポイントで物品やサービスの購入利用が可能となるようなビジネスが考えられます。

この場合は、当該ポイントは、いわゆる物品を購入した際のおまけの位置づけであり、1ポイント=1円とレートが固定されていれば、資金決済法上の前払式支払手段や仮想通貨には該当しない可能性が高いと考えられます。

 

rippleのような、会社を作る場合は、主には②為替取引と③資金決済法上の仮想通貨が関係してくると考えられる。

 

 

 

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