金利とは、利回りとは
日本の個人資産1800兆円の金融資産の中にはすべてに国債がある程度含まれていますし、預金や保険・年金積立金の形をとっていても、その相当部分は金融機関を経由して間接的に国債を保有していることに等しいということになる。また金融機関は多額の債券を持っていますが、企業会計上は、それを処分しなくても、保有しているだけで、期末に時価で評価替えし、損益を計上しなければなりません。価格リスク回避のための何らかの手を打っておかない限り、金利が上昇すると、低金利時代に購入した債券については評価損が出ることになり、場合によってはそれが大きな規模に達します。この時点でこれを売却すれば実現損が生じます。と専門家は危惧しているところです。
●金利とは
元本に対してどれだけ利子がつくかという割合のこと、お金を借りた側が、お金を貸した側に支払う借り賃のこと。
●利回りとは
貸したお金に対しての収益の割合です。
市場で売買されている債権を買おうとしている投資家にとっての運用利回りは次の式で計算します(ここでは満期前に売却することを想定しています)。ここでクーポンとは、額面金額に対して一定の比率で利子が支払われることを意味しており、クーポンレートとは、きめられたその金利のことです。
分子=年間金利収入(額面金額×クーポンレート)+年平均売買損益(債権の購入価格-売却価格)
分母=債権の購入価格
分子/分母=債権の投資利回り
この式で、分母が債権の購入価格、すなわち、購入時の市場価格になっていることに注目してください。つまり、債券の市場価格が上昇するということは債券の投資利回りが低下すること、債権価格が低下するということは利回りが上昇することに等しい、ということです。この関係自体は原因と結果ではなく、同じことを価格と利回りのどちらの側から表現しているかに過ぎません。