米百俵の効果は?について
小泉さんは、改革が「痛みを伴う」と強調しました。
小泉首相の掲げていた政治信念の一つ。
小泉内閣の目標の一つは不良債権処理である。
不良債権とは、銀行が貸している金銭で、回収が難しい金銭の事。何故、難しいかと言うと、それは借りている会社が経営不振であるからである。それを承知で不良債権処理を行えば、経営難の会社から取り立てを行うわけであるから、当然、倒産・失業が増える。銀行に金銭を戻し、それを、躍進力のある、企業や新興会社に回すこと(融資する事)で、経済回復も望める。
その際、小泉さんは「米百俵」という話を持ち出し、将来のために、現在の痛みに耐えようと呼びかけました。「米百俵」というのは、山本有三の戯曲で、こんな話です。
戊辰戦争で敗れた長岡藩の藩士たちの生活は窮乏し、その日の食にもこと欠く有様でした。それを見かねた峰山藩が、米百俵を送りました。藩士たちは生活が楽になると
喜びましたが、藩の大惨事である小林虎三郎は、藩士に米を分け与えず、売り払って学校の設立資金にしてしまうのです。押しかける藩士たちに虎三郎はこう言います。「百俵の米も、食えば忽ちなくなりますが、教育にあてれば明日の一万、百万表となる」
結果、現在は、いざなぎ景気を超えるような景気だったということです、結果的には米百俵が成功していると考えられます。しかし一般市民は、景気の恩恵を受けたととは感じていないところが問題です。現に年収は下がっています。欧米諸国は、この20年で、年収が倍くらいになっているのを見ると日本は取り残されている感がいなめない。
しかし、景気がいいということは、どこかが儲かっている、それは会社ということになる。
内部留保が、またしても過去最高という記事もみられます。労働分配率は、2017年度は66.2%で2011年度は72.6%であった。しかし、この数字も、黒字企業は労働分配率は低いといいますし、社員がずっと雇用され辞めたりしなけらば、労働分配率は下がるといいます。2016年度のデータですが、カナダ、フランスが70%台で、イタリアは50%台である、イギリス、アメリカは日本と同程度である( https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2018/documents/Databook2018.pdf )。これらをみると、労働分派利率が低いともいいがたい。
好景気というのは、疑問が残ると私は考えます。何よりも、GDPが伸びていないからです。
いい湯だな、と思っていると自分が茹で上がってしまうかもしれないという危険があるように思います。