ケインジアン・アプローチについて

【ケインジアン・アプローチ(金利経由)】 

ケインジアン・アプローチは、政策金利を中心として短期金融市場で形成された金利は、やがて中期(満期まで5年から10年程度)や長期(同10年以上)の金融市場金利全般に影響を与え、それが投資や消費、生産・雇用といった実態経済に及んでいくとされている考えのようです。 

しかしながら、こうしたアプローチに対しては、政策の決定過程が不透明だという批判が常についてまわります。何か、より客観的・数量的な判断基準、誰でも同じような結論が得られる簡単明瞭な方法はないものかと考えられます。これが、各国の中央銀行を悩ませてきた問題でした。こうした観点からさまざまなモデルが作られ、現実にあてはめる作業が続けられてきましたが、現実そうした声にもっともよく応えるものとして広く知られているものが、テイラー・ルールのようです。 

テイラー・ルールは、望ましい物価上昇率(目標物価上昇率)と、長期持続可能な成長率(潜在成長率)とを同時に実現するためには、どのような政策金利水準が妥当であるかを具体的な数値で示すことができるものです。 

テイラー・ルールの原型 

政策金利=目標物価上昇率+均衡実質金利+α(現実の物価上昇率の、目標物価上昇率からの乖離)+β(潜在成長率と現実の成長率との間の乖離、すなわち「需給ギャップ」) 

各国が中央銀行はこのルールにしたがって政策金利を決定しているかというと、実際はそのようなことはないようです。様々な状況がるため当てはまるとは限らないということのようです。(参考金融政策入門(岩波新書)湯本雅士著) 

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