行政手続法その2について
行政手続法その2
●法令 法律、法律に基づく命令(告示を含む)、条例及び地方公共団体の執行機関の規則(規定を含む。以下「規則」という。)をいう。(2条1号)
行政手続法上の法令の範囲は、⑴法律⑵法律に基づく命令(例:政令、府省令、行政委員会の定める規則、法規の性質をもつ告示)⑶条例⑷地方公共団体の執行機関の規則(例:長が定める規則、行政委員会の定める規則・規定)である。
●処分 行政庁の処分その他公権力に当たる行為をいう(2条2号)
●申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が許諾の応答をすべきこととされているものをいう。(2条3号)
法令に基づかない申請は、行政手続法上の申請に含まれない。
例えば、法令に根拠を持たない事実上の交付申請に基づいて、職権により行われる補助金の交付は、数が少ないこともあり、行政手続法の規制対象とされていない。
●不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。(2条4号)
イ 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分
ロ 申請により求めれた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分
ハ 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分
二 許認可等の効力を失わさせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの
次のものは、不利益処分に該当しない。
⑴事実上の行為(例:代執行など)
⑵事実上の行為をする処分に当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続きとされている手続としての処分(例:代執行の戒告)
⑶申請により求められた許認可を拒否する処分(申請拒否処分)
⑷その他の申請に基づき申請者を名あて人としてされる処分(例:申請に基づき行われる登録取消処分)
⑸名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分(例:地方公共団体等に重要文化財の管理を行わせる指定をするには、文化庁長官は、あらかじめ、その重要文化財の所有者、その地方公共団体等の同意をえなければならい)
⑹許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの(例:測量業者が死亡した旨の届出によりその登録を取り消す処分)
●行政機関 次に掲げる機関をいう。(2条5号)
イ 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関若しくは内閣の所轄の下に置かれる機関、宮内庁、内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項に規定する機関、国家行政組織法第3条第2項に規定する機関、会計検査院若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの期間の職員であって法律上独立に権限を行使することを認められた職員
ロ 地方公共団体の機関(議会を除く。)
行政機関には、国の行政機関及び地方公共団体の機関が広く含まれるが、国会・裁判所・地方議会は含まれない。