がん告知について
現在、がんの告知率は9割以上といわれています。「がんは告知されるもの」と理解しておく方がいいということのようです。
がんを告知された患者さんは、ほとんどパニックに陥ってしまうでしょう。正しい判断をするのには、難しい状態です。このことを、家族や友人はよく知っておく必要があります。本人はまともな精神状態でなくなってしまうようです。
ですから、がんの疑いがあって、がんの診断、告知が予想されるときは、家族や親しい友人など、誰かに同席してもらうほうがよいようです。普通は検査前に「がんの疑いがある」ことを聞いていることが多いので、患者はすでに緊張と不安の中にいるからです。
診断の結果は、たいてい外来で説明されます。事前に医師から「ご家族も一緒に」と言われることがあります。
患者本人は緊張しているので、医師の話を理解するのが難しいものです。告知後の医師の説明内容や治療方針、わからない用語、疑問に思ったことを、同席の家族・友人によく聞いてもらうことです。事前にメモやレコーダーを用意して、記録してもらうといいようです。
もっと大事なことは、目の前にいる医師の話をよく聞くこと、知らないことはどんどん尋ねること、わからないのに、決して知ったかぶりをしないことということのようです。
私は、父親が、がんになり、告知を受けたときに、私に、父親は「がんの告知を受けた」と涙ながらに、訴えてきました。父親のあんな涙を見るのは、初めてでした。本人は、それ以前から、人一倍健康に気を付けてきたと言って、悔しそうでした。
本当に無念でした。
そこから、父親は、5年近く治療しながらでしたが生きました。死ぬまで働きながら、父親としての威厳を保ちました。本当に素晴らしいと感じました。働くことに対しては、私も、がんばれ、がんばれ背中を押しました。
父親とは、いろいろと確執はありましたが、働くことに背中を押すことは、本当に私もつらかったです。家庭の事情があり、そうしなくてはなりまんせんでした。
ですんで、私も、死ぬまで働くつもりでいます。