重税と幸福度について
33歳のT・ジェファーソンが原案を起草した「アメリカ独立宣言」(1776)は「イギリス本国国王の歴史は、権利侵害と権利簒奪を繰り返し行った歴史てある」として、国王の不公正を多々羅列し弾劾し、世界に向かって独立を宣言したのである。その中で、「(イギリス国王は、本国議会の立法行為に裁可を与え)われわれの同意なくして租税を課した」、と言う部分が一番大きな独立戦争の原因となったことは言うまでもない。重税や増税は国家の根幹を揺るがすような事態を生み出すことがあるのだ。(経済学に何ができるか 猪木武徳著)といっています。
しかし、このことは、現在の北欧などの日本より重税の国家であっても、幸福度は高いことを考えるとおもしろい現象である。
世界幸福度ランキングは、マーケティングリサーチ世界大手ギャラップが毎年実施している世界規模のアンケート調査「Gallup World Poll(GWP)」のうち、「ウェルビーイング(WP)」に関する回答結果を基に、SDSNが統計分析を実施し発表されいます。GWPは世界155ヶ国を対象とされています。GWPの質問の中で人生に「幸せ」を感じる度合いと「不幸せ」を感じる度合いの項目をもとに、その尺度を、1人当たり実質国内総生産(GDP)、社会的支援、健康寿命、信頼性、人生選択の自由度、寛容さ、腐敗認知の6指標を用いて相関分析を行い、寄与度をまとめているものです。
日本の幸福度は、北欧の国々と比べて低かった。その要因は、寛容さと、腐敗認知という項目が影響しているようである。これが低いため日本は他の国より幸福度が低いということです。
寛容さとは、寄付の額であり、従来から日本人は寄付をあまりしないとよく言われている。宗教の違いが大きいといわれている。
腐敗認知度は、「政府全体に腐敗が広がっているかどうか」と「企業内で腐敗が広がっているかどうか」の2つの質問の世論調査をもとに判断されるようである。
その似た概念に、腐敗認識指数というのもあるが、これは、ビジネスマンや専門家を対象に調査がされるが、これをみても、世界的には、腐敗は少ない国に属しているが、北欧の幸福度が高い地域は、腐敗がもっと少ないようである。
2017年度の世界幸福度ランキングは、ロシアより低い51位だったということです。
日本人は、税金が上がると、生活が苦しくなると考えます。私もそう考えます。しかし世界では、重税が幸せにつながっていると考える国もあるということです。
ただし、重税でも腐敗の少ない国の場合には幸せにつながるということがいえるのではないでしょうか。