見えざる手について
池上彰さんは、このようにいっています。
人間が値段を決めるのは難しい。たとえば、キャベツを100個仕入れて売ることを考えましょう。Aという店は。1個150円で売り出しました。一方、Bという店は、「150円では売れ残りが出る」と考え、1個130円で売り出しました。その結果、1個150円の店は、閉店間際までに80個売れたとしましょう。残り20個を100円で売り、全部売れました。さていくらの売り上げになったのか。150円が80個で1万2000円。100円が20個で、2000円。計1万4000円でした。Bという店は、最初から130円にしたので、100個が全部売れました。売り上げは1万3000円でした。さて、どちらの店がより利益を上げたかというと・・・そうです、以外にも、最初は高く、最後に値下げした店の方が、売上額が多くなりましたね。「売れ残って値下げするぐらいなら、最初から安く売ろう」という戦略は、決して間違いではありませんが、途中で値下げした方が有利な場合もあるのです。
自分の利益を考えて行動すると、それが結果的に、他人の利益にもなる。この関係が成立することを、「経済学の創始者」と言われるイギリス人のアダム・スミスは、1776年に刊行した「国富論」という書物の中で「見えざる手」という表現を使って説明しました。「生産物の価値がもっとも高くなるように労働を振り向けるのは、自分の利益を増やすことを意図しているからにすぎない。だがそれによって、その他の多くの場合と同じように、見えざる手に導かれ、自分がまったく意図していなかった目的を達成する動きを促進することになる。」(アダム・スミス著、山岡洋一訳「国富論」)(「見えざる手」が経済を動かす 池上 彰著)
私は、どちらかというと、最初から安くしていく方がいいのか、と考えていました。
イオンの、岡田家の家訓で、上げて儲けず、下げて儲けよ、ということを理想なんじゃないかと考えていたときがあります、近江商人の、3方良しも、価格を下げることで、満たしていくようにも感じます。
しかし、利益を上げようとすると、価格設定が結構難しいところです。他店の価格の動向をしっかり調査するのも必要だということでしょう。
スーパーでは、この方法を結構よくみます。1日の最後に、価格を半額にしてでも売り切ってしまう、ということをよくやっています。生鮮関係は、売れ残っても処分するだけですので、その方が3方良しに近づく感じがします。
a name of the game is profit と、ソニーの昔の社長さんがよく言ったときいていますが、利益を最大化することが社長の重要な仕事である。
結構難しそうです。