夫婦の財産

夫婦の財産

結婚した夫婦の財産はどうなるのか。

夫婦の財産関係は、まず基本は夫婦別産制です。結婚したからといって今まで持っていた財産が2人のものになるのではない。

夫婦の財産は混ざってくる。結婚する前に持っていた財産も混ざってくる。だから、結婚する前にもっていた財産を登記しておかないと、それぞれの財産として第3者に対抗できない。ただやっている人は少ない。

自分たちの間では、別々である、自分たちの間で混ざるんではない。

日常家事債務が大事である。これは、第3者との関係の話で、2人の生活にとって必要な財産、このお金が払われてない時には、2人で一緒に払わなくていけないという話である。

例えば家電を購入した場合や、家を借りる賃料を払う場合、家電を売った側、家を貸した側は、2人のどちらに全額を請求してもかまわない。ということです。

これを日常家事債務という。日常家事債務という範囲に入ったら、民法761条の連帯債務になる。つまり連帯責任になる。

日常家事債務の範囲がある。この範囲は各家庭によって違う。お金があったら範囲が広いし、お金がないと範囲は狭くなる。夫婦の生活ぶりにあわせて、日常家事の範囲は変わってくる。

高価な買い物で、何百万、何千万などの買い物になると、夫婦の経済状態によって変わってくる。

日常家事の範囲内では、片方が契約したことについて、もう片方も連帯債務者になるということです。

なんでそんなことになるか、夫婦には、日常家事の範囲内で代理権があるということです。お互いに法定代理人であるということです。妻は夫の代理人、夫は妻の代理人だということです。日常家事の範囲内では代理できる。

夫婦にはお互い代理権がある。ほっといてもある。法定代理人である。どこまでもあるのかといわれれば、日常家事の範囲内ということです。

不動産を売却したや、高価な1台しかない自動車を売却したなどは、日常家事の範囲内を超えているのではないか。

日常家事の範囲を超えてしまった場合は、無権代理になる。無権代理は原則無効である。

しかし、相手は夫婦の事情なんかはわからない。相手は表見代理で保護される。

奥さん名義の土地を夫が売った。これを手放す気はないと奥さんが言った。相手方は、無効として買った土地を返さなくてはならないのか。しらなかったということで、相手方保護のために表見代理がでてくる。

表見代理とはどういう人が保護されるのか、これは代理権がないのに代理権があると信頼した人が保護されるということである。

奥さん名義の土地を夫が勝手に売った場合、夫婦だから日常家事の範囲内だったら連帯責任であるが、ところが範囲を超えてしまった。この2人の間では土地を売るということは大変なことで、日常家事範囲を超えている、無権代理である。代理権が夫にあると信頼したら、確実に保護されることになる。なんでかというと、印鑑を持ち出してるだろうし、いろんな書類を用意するのは簡単です。だから、相手が信頼するのは容易である。この話だと、相手方がほとんど保護される。

民法総則での無権代理は、息子が勝手にやったなどを例題によくあがる。

夫婦の片方が勝手にやったというと事情が少し違う。日常家事の範囲内で代理権があるから、かなりのことをやれる。無権代理にあまりならないということです。もし、無権代理になったとしても、相手方を信頼することは簡単ということです。すぐ表見代理が成立してしまう。しかし、この表見代理がすぐ成立すると、夫婦別産制が吹っ飛んでいっていまうことになる。

2人の間では、2人の財産は混ざらない。第3者との関係では混ざるということです。登記をしていないと共有と推定される。

2人の間では混ざらない、だから離婚の時に分けることができる。

夫婦別産制が無意味になるので、判例は、日常家事についての表見代理は少し変えますとなった。代理権がないのにあると信頼するのを表見代理とすると言ってきましたが、ここでは相手方が日常家事の範囲内だと信じたら表見代理だとします。

夫がかってにやった、奥さんの代理権を持っていると信頼したから保護するんではなくて、今、夫がやっている行為が日常家事の範囲内だと、この夫婦において、日常生活において必要なこどなんだと信頼して取引したならば保護することにした。

例えば、不動産を売却する、何千万円である、これは普通は日常家事の範囲外である。でも、どうしても、お金がいる、子供が病気をして、外国で治療しなくてはならない、そういうような重い病気なんだと聞いてて、それで買う方は不動産を購入した、この事情があれば、日常家事の範囲内だと信じたといえる。夫に代理権があると信じたのではない、この取引が、その夫婦にとって日常家事なんだと、または必要なんだと思ったら表見代理になる。

民法総則の表見代理と比べて信頼の対象が変わったということです。民法110条趣旨類推適用というようである。



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