白内障治療薬

白内障

水晶体タンパク質の変性によって、水晶体が混濁し、視力障害を生じる病態を白内障という。

混濁部位により皮質白内障、嚢白内障、核白内障に分けられている。

老人性白内障の成因は不明である。

有核アミノ酸(トリプトファン、チロシンなど)の代謝異常によって生ずるキノイド物質が、水晶体タンパク質と結合して、変性して不溶化するためといわれている。(キノイド説)

(薬剤師国家試験対策参考書改訂第9版薬理 薬学ゼミナール著)

白内障治療薬は、2つあり、点眼剤である。

1、ピレノキシン点眼剤0.005%

老人性白内障の成因は、トリプトファン代謝障害の結果生じるキノン体が惹起する水晶体蛋白の変性現象である。(キノイド説)

ピレノキシンは、キノン体よりもさらに水晶体の水溶性蛋白と親和性が強く、キノン体が水晶体の水溶性蛋白に結合するのを競合的に阻害して水晶体蛋白の変性を防止する。

生物学的同等性試験では、ウサギの片眼に本剤を点眼するものですが、点眼後2時間後が、最も房水中ピレノキシン濃度が高い。

使い方は、用時振り混ぜたのち、1回1~2滴を、1日3~5回点眼するとなっている。

副作用は、頻度不明で、過敏症目症状と目症状(角膜炎、結膜炎、充血、刺激感 など)

(以上、カリーユニ点眼液0.005%添付文書より)

2、グルタチオン点眼用2%

グルタチオンの生化学的作用は、酸化還元反応への関与、補酵素としての作用、メルカプツール酸生成その他の解毒機構への関与、SH酵素又はその他の細胞成分の保護作用が報告されている。

視覚器とグルタチオンの関係は、哺乳類をはじめとして、魚類に至るまで、脊椎動物は共通的に、眼、特に、水晶体のグルタチオン濃度が極めて高い。血液中の数十倍、肝臓中の約2倍に達する。水晶体や角膜にグルタチオンが高濃度に依存する意義は、その両組織の透明性の維持になるといわれている。

白内障に対する作用は、水晶体の混濁を主症状とする白内障の成因とグルタチオンは重大な関係を有しており、いずれの実験的白内障においても、白内障に先だって、水晶体のグルタチオン量の減少や、水晶体中でのグルタチオン合成酵素の活性低下が立証されている。そして、グルタチオンの投与により発症を低下したり、進行を防止出来ることが報告されている。

使い方は、用時溶解して、1回1~2滴を1日3~5回点眼する。

副作用は、副作用発現確率は、1.9%で、主なものは点眼時の刺激感や、そう痒感、結膜充血 である。

(以上、タチオン点眼用2%添付文書より)

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