ヒプロメロース
ヒプロメロース
日本医薬品添加剤協会より、その中に各医薬品添加剤の安全性データをみることができる。
ヒプロメロースを見てみる。
用途 基剤、結合剤、コーティング剤、賦形剤、粘着剤、粘稠剤
最大使用量
経口投与 40mg、一般外用剤 15mg/g、殺虫剤、眼科用剤
眼科用剤の使用量は記載がないが、現実には、第3類医薬品目薬で、塩化Na 0.74%、塩化K 0 .13% 、ヒプロメロース0.2%このような処方がよく見られる。中には、0.35%のものもある。
ヒプロメロースの局所刺激性の中を見ると、
ウサギを用い、疎水性修飾型のヒドロキシプロピルメチルセルロース(ステアリルグリシルエーテルで修飾したもの)の皮膚及び眼刺激性試験を行った。3%水性懸濁液を用い、前者の皮膚試験では無傷の又は擦過皮膚に適用して反応性を観察した。いずれの皮膚においても紅斑が観察され、疎水性修飾型のヒドロキシプロピルメチルセルロースは「緩和な刺激物」に分類された。後者の眼刺激試験では検体適用後に眼を洗浄しない場合には極く軽度の刺激性が認められたが、洗浄した場合には認められなかった。 (Obara et al., 1992)とあります。
そして、ヒトにおける知見をみると、
48名のヒト角膜を用いインビトロでヒドロキシプロピルメチルセルロースの適合性を検討した。角膜灌流技術を用いて角膜内皮の機能を顕微鏡下に観察したが、0.5%濃度、3.5時間の灌流で異常は見られなかった。(Schimmelpfennig 1988)、これは、疎水性修飾型ではないものと考えれますが、異常は認められなかった。ということです。
(医薬品添加物の安全性(非臨床)に係る手引き 平成 28 年 10 月 3 日発行 日本医薬品添加剤協会 安全性委員会、眼科用の医薬品添加剤の質問より、日本医薬品添加剤協会では、毎年開催される医薬品添加剤セミナーにおいて安全性に係わる試験法や実 施への考え方を PMDA 担当者より見解を戴いている、というものであるが、その質問中で、これはまったく別の成分のことであるが、
(1) 眼科用剤の刺激性試験の上限濃度 質問(Q):外用製剤(眼科用製剤)に 2%の新添加物を添加する予定であるが、刺 激性試験等は最終製剤の含有量(2%)を上限として実施して良いか。 解説(A:2005 年第 4 回セミナー): これについては可能であれば、2%を超える濃度で刺激性試験を実施し、安全性を担保して頂きたいと考えております。なお、添加物の物性等により、 濃度を上げることが無理な場合は、投与回数を増やす等の手法で安全域を 確保することを検討してください。(2%濃度については最新の情報で読み 替える。)
とありますので、眼科用剤添加剤は、安全性は当然確保されているということです。
しかし、何となくではあるが、疎水性修飾型(ステアリルグリシルエーテルで修飾したもの)のヒプロメロースなのか、違うタイプのヒプロメロースなのか、しりたくなるところです。