血糖値が気になる方の特定保健用食品の利用

血糖値が気になる方の特定保健用食品の利用

糖尿病はインスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝性疾患群である。糖尿病では、糖代謝異常による高血糖状態が長期にわたると、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、あるいは糖尿病神経障害をきたすようになる。

大きく4つに分類される。

①1型糖尿病(自己免疫性や突発性のもの)

②2型糖尿病(インスリン分泌低下を主体とするものと、インスリン抵抗性が主体で、それにインスリンの相対的不足を伴うものなどがある)

③その他の特定の機序、疾患によるもの(遺伝因子として遺伝子異常が同定されたものや他の疾患、条件に伴うもの(膵外分泌疾患、感染症など))

④妊娠糖尿病(妊娠中に認められる耐糖能異常を基盤とするもの)

全糖尿病患者の95%以上を占めるのは2型糖尿病である。

2型糖尿病は、インスリンの分泌障害と抵抗性が関与している。

また、遺伝的要因、肥満、運動不足、ストレスなどの生活習慣や加齢が加わり発症する。

発症年齢は、40歳以上に多く、肥満又は肥満の既往が多く、インスリン抵抗性が見られやすい(肥満領域BMI≧25)

糖尿病の症状は、血中や組織中の糖質濃度の上昇によって生じる。高血糖が数週間~数カ月続くと、口渇、多飲、多尿、急激なやせを認めることがある。これを急性症状という。

また、10年以上の長期にわたり高血糖が続くと、細小血管障害、大血管障害による慢性症状(慢性合併症)を認める。

慢性合併症の代表的な例は、糖尿病性網膜症(緑内障に続いて失明原因第2位年間3000人失明)、糖尿病腎症(透析導入の原因疾患第1位年間16000人新規透析導入)、糖尿病神経障害(比較的早期から知覚神経(しびれ感、疼痛)が生じ、自律神経(起立性低血圧、排尿障害)、運動神経(脱力、眼瞼下垂)もしだいに障害される。これは、ポリオール経路を介してグルコースからソルビトールが作られソルビトールが増加するためです。ソルビトールは神経細胞内で、高浸透圧物質として働き、組織中の水が神経細胞に移り、神経細胞に浮腫をおこし、障害をおこすからです。

また、糖尿病壊疽(下肢の血液循環が低下し、潰瘍を形成し難治化し、進行すると壊疽を生じる)も知られている。

診断は血糖値や糖化ヘモグロビン(HbA1c)を測定することでなされる。

①早朝空腹時血糖値126mg/dL以上

②75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)で2時間値200mg/dL以上

③随時血糖値200mg/dL以上

④HbA1cが6.5以上

①~④のいずれかが確認された場合は、糖尿病型と判定する。ただし、①~③のいずれかと④が確認された場合には、糖尿病と診断してよい。また、血糖値が糖尿病型を示し、かつ次のいずれかが認められる場合は、初回検査だけでも糖尿病と診断できる。

・口渇、多飲、多尿、体重減少などの糖尿病の典型的な症状

・確実な糖尿病網膜症

(日本糖尿病学会(編・著):糖尿病治療ガイドライン2018-2019)

2型糖尿病の一般療法(非薬物治療)は、まず適切な食事療法と運動療法を行う。これらは医師による処方の1つである。これらを、2~3か月続けても、なお血糖値が高い場合には、経口糖尿病降下薬又は適切なインスリン製剤を用いるとなっている。

食事療法は、BMI=22を目標とする。適正なエネルギー摂取量は、通常男性では、1600~2000kcal、女性では1400~1800kcalです。食事のエネルギー量を適正化して血糖値のコントロールを行う。算出には食品交換表を利用する。

運動療法は、適切な運動はGLUT4を増加して、細胞内へのグルコースの取り込みを促進し、インスリン抵抗性を改善する。(カロリー消費を目的とするものではない)

増殖網膜症による新鮮な眼底出血がある場合や、腎不全の状態にある場合などは、禁止あるいは制限する場合がある。

インスリン治療患者では、運動開始は、食後2時間後が望ましい。

運動時の心拍数は、50歳未満では1分間に100~120拍、50歳以上では、1分間に100拍以内にとどめる。

ストレス管理も含まれる。

これらの、非薬物療法は、血糖値が高めの方が行うことができることでしょう。しかし、医師の処方の1つであることを考えると、1度医師に相談するといいように感じます。

また、血糖値が高めの方は、食品の特定保健用食品(トクホ)を、利用する人もいると考えます。

血糖値が気になる方に適する食品として、いろいろな商品が販売されています。難消化性デキストリン、グアバ葉ポリフェノールなどが有名です。グアバ葉ポリフェノールは糖質の消化酵素を阻害するといわれています。

難消化性デキストリンは、食事と一緒に難消化性デキストリンを摂取させたヒト試験では、でんぷんの消化過程で生成される麦芽糖(マルトース)の消化を抑制することで食後の血糖値の急激な上昇を抑えることが確認されているようです。

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