コレステロールが高めの人の特定保健用食品(トクホ)等利用について

コレステロールが高めの人の特定保健用食品(トクホ)等利用について

脂質異常症とは、血中LDLコレステロール値が140mg/dL以上、血中HDLコレステロール値が40mg/dL未満、血中トリグリセリド値が150mg/dL以上あるいは、いずれかを呈する状態をいう。男性では40歳代がピークに、女性は、エストロゲンが関与し、閉経後より上昇し、60歳代でLDLコレステロール値が高くなる。厚生労働省の調査によれば、脂質異常症の患者数は約206万人と推定されている。

脂質異常症の原因による分類は、原発性脂質異常症と続発性脂質異常症にわかれ、

原発性脂質異常症は、基礎疾患がなく、原因不明のものと、家族性高コレステロール血症など、原発性のうち遺伝歴がはっきりしているものを家族性脂質異常症という。

続発性脂質異常症は、基礎疾患により二次的に起こるもので、基礎疾患としては、ネフローゼ症候群(糸球体障害→基底膜タンパク透過性亢進→低アルブミン血症→肝機能亢進→リポタンパク質合成促進→LDL,VLDL上昇)や、クッシング症候群(血中コルチゾール上昇→血糖上昇→高インスリン血症→TG合成促進→脂質異常症)、甲状腺機能低下症(血中チロシン低下→cho異化低下→血中cho上昇)、糖尿病、肥満がある。

脂質異常症の症状は、高コレステロール血症の場合は、動脈硬化症、黄色腫で、高トリグリセリド血症の場合は、脂肪肝、急性膵炎が知られている。

治療としては、まずは生活習慣の改善が行われる。

食事・運動療法を3~4カ月行い、コレステロールやトリグリセリドが高値のときは、薬物療法を行う、ただし、家族性高コレステロール血症のⅡa型は虚血性心疾患の危険性が特に高く、診断と同時に薬物療法を行う。

食事療法は、高コレステロール血症の場合は、カロリー制限とコレステロール食制限(200mg/日未満)、食物繊維を多くとる(胆汁酸再吸収抑制によりコレステロール吸収抑制)、高トリグリセリド血症の場合は、カロリー制限とアルコール・糖制限

運動療法は、主にトリグリセリドを低下させる(運動→リポタンパク質リパーゼ活性化→TG分解)。運動によりHDLは増加する。BMIが25未満を目標とする。

この治療の生活習慣改善を参考にし、コレステロールが高めの方やトリグリセリドが高めの方に、とりいれることができそうです。

また、特定保健用食品(トクホ)を利用することも考慮にはいるでしょう。

コレステロールが高めの方に適する食品として、大豆タンパク質やキトサンがある。

大豆タンパク質やキトサンは、胆汁酸と結合してコレステロールの排泄を促進する。

また、トクホではないが、EPA(イコサペント酸エチル)は、トリグリセリドの腸管の吸収抑制や肝臓での生合成抑制など、さまざまな作用により、コレステロール及びトリグリセリドを低下させる。

(薬剤師国家試験対策参考書2020年版、病態・薬物治療、衛生 より)

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