がんは突然異変が原因について
私たちの体は約60兆個の細胞からできています。細胞は臓器によっていろいろな形をしていますが、基本は、丸い形や四角い形をしています。1個の大きさは平均的に0.01ミリ程度といわれています。
細胞膜が周りを囲み、中身は細胞液であり、ミトコンドリア(エネルギーを作る重要な場所)などが存在していますが、がんの発生に関して重要なのは、真ん中の核の中に存在している遺伝子です。細胞をコントロールしているのは、遺伝子です。
正常な細胞は、この遺伝子(DNA)を2倍しにコピーして、2つの細胞に分け、次々と分裂して増えていきます。DNAは2重らせん構造で、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)という4種類の塩基の配列からできていて、総計60億の塩基情報からなっているようです。
ところが、この塩基のたった1つにコピーミスが起こることがあります。突然変異です。これは、外界の化学物質、紫外線、放射線、ウイルスなどによって容易に起こること言われています。
遺伝子に突然変異が起きても、小さいミスなら、DNA修復遺伝子が直ちに完璧に修復します。しかし、ミスによる障害が大きく、修復できなくなると、遺伝子に異常が発生したために、細胞がコントロールを失い、がん化していくとされたいます。
さらに、がん細胞の増殖を左右するのが、2つの遺伝子です。がん遺伝子と、がん抑制遺伝子です。 「がん遺伝子」といわれる遺伝子に変異が起きたままになると、この細胞がコントロールを失った状態で活性化して、正常細胞ががん細胞に向かいます。このようながん遺伝子は、数十種類発見されています。
また、細胞増殖を抑える遺伝子が存在しますが、その中には、がんになりにくいように抑制している遺伝子があります。これを「がん抑制遺伝子」といいます。これに突然変異が起きることで、抑制不能となり、がん細胞が発生しやすくなります。がん抑制遺伝子も、数十種類見つかっています。