血圧が高めな方の対処法

血圧が高めな方の対処法
ライフスタイル改善とトクホ
一般に高血圧は、日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン(JSH2014)の判定基準が用いられる。
診察血圧が140/90mmHg以上のどちらか一方、又は両方の場合を高血圧と判定する。
診察血圧とともに、心血管イベント抑制における24時間の厳格な血圧コントロールの重要性が言われており、家庭血圧も基準が設けられている。収縮期・拡張期とも5mmHg低い値に設定されている。
また血圧とは、血液が血管壁を押す力であり、血圧の要因は、体液量、心機能、血管拡張に関係する。
そして、持続する血圧高値は、心臓、血管、腎臓、眼底など全身の臓器障害をまねくといわれている。
高血圧は、本態性高血圧と二次性高血圧に分かれる。
本態性高血圧は、高血圧の大部分(約90%)を占め、原因不明である。
発症には、遺伝的素因と、環境因子が関係し、環境因子は、食塩、肥満、過度のアルコール、ストレス、カリウム摂取不足などです。
二次性高血圧は、種々の基礎疾患があり、その結果二次的に起こる高血圧をいいます。大きくは、腎性高血圧と内分泌性高血圧がある。
腎性高血圧の中で、腎実質性高血圧は、腎臓が障害をうけ、糸球体ろ過量が低下し、体液量が上がり、血圧があがるというものです。
内分泌高血圧は、褐色細胞腫(カテコールアミン放出促進)、アルドステロン症(アルドステロン分泌促進)、クッシング症候群(コルチゾール分泌促進)、甲状線機能亢進症(甲状腺ホルモン分泌促進)などがあります。
降圧目標は、若年、中年、前期高齢者患者、診察血圧140/90mmHg未満、後期高齢者患者、150/90mmHg未満、糖尿病患者130/80mmHg未満、慢性腎臓病(CKD)患者(蛋白尿陽性)130/80mmHg未満、(日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編:高血圧治療ガイドライン2014より)となっています。
高血圧になった場合に、最初にライフスタイルの改善を行う。
食塩制限(6g未満/日)、食事療法(野菜・果物の積極的摂取、カリウムを摂取すると、ナトリウム排泄を促進する、しかし、重篤な腎障害患者では推奨しない、コレステロール、飽和脂肪酸の摂取制限)、体重管理(BMI25未満)、運動療法(心血管病のない高血圧患者が対象、1日30分くらいの早歩きや水泳などの有酸素運動)、アルコール制限(エタノール量で、男性20~30ml/日以下、女性10~20ml/日以下)、禁煙(日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編:高血圧治療ガイドライン2014より)
そしてそれでも効果がない場合薬物治療になる。
健康な人で、血圧が高めな人は、このライフスタイル改善を参考にするのが一般的ではないでしょうか。
そして、家庭血圧135/85mmHg未満で、血圧が少し高めの場合、健康食品、健康食品のなかでも、特定保健用食品を1つの選択肢にする人もいるのではないでしょうか。特定保健用食品(トクホ)とは、身体の生理的機能等に影響を与える保健機能成分を含んだ食品であり、健康の増進及び特定の保健用途に資するもの。となっています。消費者庁長官の許可が必要な食品です。申請先は、消費者庁食品表示課です。
血圧の高めの方に適する食品として、ラクトトリペプチド(LTP),カゼインドデカペプチド、杜仲葉配糖体などが有名です。ラクトトリペプチドはアンジオテンシン変換酵素を阻害して、血圧を下げると言われています。血圧が気になる場合は、うまく特定保健用食品などを取り入れたいところです。商品にもよりますが、1日150円前後のお金がかかる可能性があります。ラクトトリペプチドですが、アンジオテンシン変換酵素阻害剤に起こる可能性がある咳が出ることがあること、妊婦、妊娠の可能性がある人、腎機能が低下している人は医師と相談してくださいとなっています。
また、特定保健用食品(トクホ)の有効性試験では、二次性高血圧は除外されています。
(薬剤師国家試験対策参考書2020年度 病態・薬物治療、衛生 より)

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