自営業と会社員の健康保険の違いについて

日本では「国民皆保険」の名のもと、誰もが何らかの健康保険制度に加入することになっています。 
 
会社勤めの人は「組合健康保険」か「協会けんぽ」、自営業者は「国民健康保険」などです。 
 
会社勤めの人は、厚生年金の保険料と同じく、保険料総額の約半分が個人負担になっており、残りは会社が負担しています。 
 
一方、国民健康保険の場合は、住んでいる市区町村で保険料に違いがありますが、東京23区の場合、国民健康保険料の年間上限金額は930,000円になります。 

 健康保険は、病気をしてお医者さんにみてもらって、窓口で治療費や薬代を支払うときに、そのありがたさを実感するものですが、実は健康保険にはもっと力強い保障が備わっています。 
 
○高額療養費制度 
まず、「高額療養費制度」です。 
これは、ある一定の金額を超える高額な療養費は、健康保険で負担するという制度です。 
実際にみなさんが病院の窓口で支払う金額は療養費の3割ですが、その金額が大きければ、健康保険でさらに負担してくれるのです。 
 
例えば、70歳未満で一般世帯と呼ばれる月収が53万円未満の世帯で、167,400円+(総医療費総額-558,000円)×1% が負担上限額になります。この制度は、以前はいったん治療費や入院費を病院に支払い、後で申請をすることで差額分が戻ってきていたのですが、2007年4月からあらかじめ被保険者である認定証をとっておけば、窓口で支払う金額が所定の金額ですむことになりました。協会けんぽ等ホームページ参照(  

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030/r150  ) 
 
○傷病手当金制度 
次に「傷病手当金制度」です。 
これは病気やけがで休業しているときの休業補償を目的とした制度です。 
補償されるのは、給与日額の2/3の金額です。 
期間は、休業4日目から最高1年半の間です。 
 
ただしこの制度は、組合健康保険と協会けんぽのみで適用になる補償で、国民健康保険には残念ながら傷病手当金制度はありません。 
 
○労災保険 
労働者が仕事の最中にけがをしたり、亡くなってしまった場合は、健康保険ではなく、「労災保険」(労働者災害補償保険)の適用になります。 
 
労災保険は、療養給付、休業給付、障害給付、遺族給付など、健康保険より補償が手厚くなっていますが、これも自営業者にはありません。  
 

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