がん細胞は死なないについて

人間の細胞は50~60回細胞分裂を繰り返すと、死に至ります。しかし、がん細胞だけは無制限に増殖して不死を保ちます。この違いはどうして起こるのでしょうか。

正常細胞の染色体上のDNAは、コピーを繰り返していますが、実は、DNAの末端だけはコピーされないことがわかってきました。

この部分を「テロメア」と呼びます。コピーのたびに、このテロメアがあるために、100個ほどの塩基を落とすそうです。

そして、細胞分裂のたびに、テロメアが擦り切れて、染色体の末端が短くなっていきます。その結果、細胞分裂を停止し、ついには死んでしまいます。

正常細胞の分裂が有限なのはこのためであり、人間が永遠に生きられないのもテロメアの存在のせいです。

テロメアは「生命の回数券」と言われます。

ところが、がん細胞だけは、染色体の末端テロメアを、テロメラーゼという酵素を作ることで再生し、死を避けることができます。このため無制限に増殖できるのです。

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