過度のアルコールの使用について
過度のアルコールの使用や違法薬物の使用は、事故による外傷やさまざまな疾病、全般的な健康状態の悪化、さらには自殺のリスクが増加することさえあり、多くの悪影響をもたらす。
過量飲酒者のおよそ30%が回復不可能な肝硬変を合併する。
飲酒と関連した肝障害にはアルコール性肝炎もある。
さらに慢性的な過量飲酒は高血圧や心血管障害、あるいはいく つかの癌の発症とも関連性がある。
アルコール使用障害と診断された患者の50~80%が経度から重度の神経心理学的検査異常を呈するともいわれている。
それらの検査異常の例としては、思考障害が見られたり、抽象的な推論が困難であったり、(短期)記憶障害や集中困難、問題解決能力や認知的柔軟性の低下などがあげられる。
過度の飲酒による脳障害は、明らかな肝障害が指摘されるよりも前から発症していることもある。
思考障害などいくつかの認知障害は解毒によって回復し得るが、多くは数か月あるいは年単位で障害が残存する。
長年にわたって過量飲酒してきた患者がアルコールをやめる際には、アルコール離脱譫妄がと呼ばれる急性の精神病性反応を呈することがある。
これは通常3~6日ほど続き、適切な薬物療法を受けない場合、死亡する確率が高い(10%)