ワインと日本酒について
ブローデル(フェルナン・ブローデル(Fernand Braudel、1902年8月24日 – 1985年11月27日)はフランスの歴史学者。)は、フランチェスコ・グィッチァルディーニの「イタリア史」を引いて、16世紀のイタリアは山のてっぺんまでワイン畑になっている、と書いています。
これは、当時のワイン畑は、最も利益率の高い産業だったようです。しかし、そのワイン畑が、山の頂上までうまっていたということです、もう投資先がないということです。日本も同じように、投資先がなくなって、公共投資をした。そして、定期便のない飛行場やたぬきしか走ってないと揶揄される高速道路をつくってしまったといわれています。投資先がない点は5世紀前のイタリア人も今の日本人も同じですが、雇用と収益性の観点から考えると、残念ながらイタリア人のほうが1枚も2枚も上手だと思います。イタリア産ワインは数世紀後の今でもブランド価値を保ち、高価な値段で外国人が購入します。ルターが堕落していると言って非難した、免罪符でお金を調達してつくった豪華絢爛な寺院はイタリアの重要な観光産業です。世界中から年間4600万人がイタリアに観光に訪れます。(資本主義という謎 水野和夫・大澤真幸)といっています。
このことから、短絡的に考えると、ワインと、寺院にお金をかければ、雇用と収益性が改善できるということになるかもしれません。
そこで、ワイン、日本の場合は日本酒になると思うが、状況を考える。
国際ぶどう ・ ワイン機構(O.I.V) は、2017 年の世界のワイン生産量を 2 億 4,670 万 hL (ヘクトリット ル) と推計している(マスト《ぶどうの搾汁》及びジュースを除く)。
O.I.V が 2017 年 4 月に発表した最新のデータによると、世界のワイン消費量は、2008 年の経済危 機以降、2016 年に最高の消費量を記録し、約 2 億 4,200 万 hL に達した。ということです。
日本の日本酒は、国内出荷量の推移をみると、1998年に1130万hLであったが、10年間で大幅に減少し、2008年には660万hLとなった。その後も減少はとどまらず、2015年には550万hLとなっている。
日本酒が減少している要因として、主力顧客層であった50-70代男性の飲酒人口減少のほか、食事の洋風化、一升瓶・四合瓶等で飲みきれない容器から缶や少量瓶での飲みきりサイズへの変化、健康志向等が挙げられる。輸出はここ数年増加しているが、3.5%ほどで、国内消費がほとんである。
日本酒もかつてのウイスキーと同じく、若者が飲まないこと、他のアルコールに比べて価格やアルコール度数が高いことがネックとなっている。
それを打破するためには、1)3-5%の低アルコール、2)「インスタ映え」するパッケージや容器、3)飲みきりサイズ、4)美容効果を押し出す、5)日本酒カクテルなど割り材で割る飲み方の浸透、などが必要である。(日本酒の現状と課題https://jp.ub-speeda.com/analysis/archive/73/ )といっている。
考えようによっては、日本酒は、大きな力を持っていると考えることもできると思う。