人生逃げ切れる?について
内閣府の、人口減少・少子高齢化の中での労働市場の変化(https://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0117nk/n16_1_3.html )をみると、失業率を年齢別にみると、我が国では新卒一括採用の慣行により若年失業率が諸外国より低いものの、他の年齢に比較すれば若年者の失業率は高く、その後企業に定着していくにつれ減少していく。様々な事情で離職する者が増える50歳代後半には若干上昇するものの、65歳以上では、失業より引退を選び労働市場から退出する層も増えるため再び低くなる
このような状況になる、もっとも大きな要因は、現在の資本主義が構造的な「生産過剰」に陥っていることにあると考えられる(創造的福祉社会 広井 良典著より)といっています。言い換えると、これだけモノがあふれる時代状況の中で、「成長」の時代には自明であった「雇用の総量が増加を続ける」という前提が現在では成り立たなくなっており、雇用に関するある種の‘椅子とりゲーム’のような状況が生じているのである。こうした状況では、退出者がいない限り「椅子のあき」は生じず、雇用市場に参入していく段階で大きな障害が存在することになり、そのしわ寄せは若年層などに集中することになる。ともいっています。
この問題は、少子高齢化の人口構造も大いに関係するように感じられる。現在は、定年も伸びる傾向にある。そして、GDPも成長していない現状を考えるとポストも、効率化により減ることはあっても、増えることはないでしょう。団塊世代のジュニアの40歳代も人口は多い。この40代も、いまだ、少子化と高年齢社員の過多のため新人が入社しないために、新人のやる電話取りや、コピー取りや、お茶くみなどの仕事をやっているとも聞きます。ある日、新人の20代の人が入ってきた時その光景をみるとどう感じるだろうか。
いつかは、入社する人と、退社する人の数が同じになるのだろうか。そう簡単な問題でもないし、そううまくはいかないと思います。
アメリカでは、今や就業人口の4分の1、3分の1がフリーランスと言われています。アメリカ追随を考えれば、日本もそのようになる傾向はあると感じます。そうすると、もっと今現在より、厳しい社会を生きていくことになります。リスクを個人が全部背負っていくということです。今の若者は、人生を逃げ切りできる年代ではありません。そうなると、それなりの人生の戦略みたいなものが必要になるかもしれません。