女性はITの使用頻度が低い?について
女性が十分に能力を発揮して働くことが望ましい。
日本は、女性の就業が促進され、正社員も増加している。しかし、女性雇用者の半分以上は、依然として非正規雇用として就業している、日本、アメリカ、英国の3か国の女性を比較した場合、日本の女性は、読解力や数的思考力の能力が英米より高いにもかかわらず、特に子供をもつ女性がこれらの能力を仕事で使ってないことを示している(2017 川口)ようです。
仕事で、ITを使う頻度と、ITを活用した問題解決能力の高い人との割合を性別に国際比較した場合、男女とも正の関係があるのだが、男性は、ITを活用した問題解決能力の高い人が多い国は、仕事でITを使う頻度も高いことがわかる。日本は、男性は国際的な傾向線の近くに位置するが、女性は、国際的な傾向線より下方に位置するようである。つまり、女性は、仕事でITを使う頻度が低いといわれています。これは、女性は自分の能力を仕事で活用できていない、ということのようです。
また仕事内容でも、定型業務の割合が女性は高い傾向もある。
これは、AI等の技術進歩により日本の女性は、仕事がAI等に代替される影響を受けやすいのではないかということも言われているところです。(平成30年度年次経済財政報告より)
国際成人力調査(PIAAC)のITを活用した問題解決能力の例題( http://www.nier.go.jp/piaac/#i_1 )を見てみました。例えば、仕事を探すのに、どう検索し、無料のものをみつけて、そのサイトを、ブックマークするというものが例題でのっています。
このレベルの問題ができるということは、一般的な仕事でも、必ず現在はコンピューターを使いますが、業務は十分こなせるとレベルということでしょう。
内閣局男女共同参画局( http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h28/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-00-15.html )の産業別の女性比率をみますと、75.3%医療・介護、62.1%宿泊業・飲食サービス業、約60%生活関連サービス業・娯楽業と続きます。このことからも、女性は、サービス業に多く就職しているのがわかります。サービス業では、管理職についている場合はちがうかもしれませんが、多くが、実際のコンピューターを使わない実務を提供するというお仕事です。
しかし、1日の中で頻度は少ないが、日報や重要な報告等は、コンピューターで入力します。この報告の入力が、業務の効率化、他職種、他職員との情報共有、サービスの質の向上に大きく影響してきます。そして、最低限のコンピューターリテラシーが要求される職業でもあります。
ITの使用頻度が低いのはこの辺りの事情からかもしれません。
そして、経済財政報告にありました女性の職がAIに代替される可能性があるというところは、医療介護等を考えても、まだまだ人の手の力が必要になる職業であって、AIの代替が難しい領域かもしれない。